幸せになれない星の住人 13−3

幸せになれない星の住人

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13−3


 サツキが顔を見せない。わたしにばんそうこうをはりつけてから、ずっと部屋にこもってしまっている。
 おなかがすいてきた。だけどわたしは料理はできない。台所をかってに使うのもよくない気がした。
 サツキがやってくれないと、困る。


 わたしが言うことをきかなければいけないのは、おとうさん。
 おとうさんがあの部屋でわたしに教えてくれるのがすべてで、ぜったいのもの。だからあの部屋を出なければならなくなったとき、わたしはとほうにくれた。
 そんなわたしに、おとうさんは「これからはともだちを手に入れなさい」と、どこかさみしそうに笑った。これからは外のせかいを見なければならないんだよ、とわたしの肩をたたいた。そのためにともだちは必要だって。
 それから、最後に会ったときにはこうも言っていたのだ。
「サツキくんの言うことをよく聞きなさい」
 だからわたしは、サツキの言う通りにする。たまに言いつけを破ってしまうけれど、それは、優先順位のもんだい。お父さんの言うことが一番で、サツキはその次。サツキはおとうさんの言ったことは忘れろなんて言うけれど、それはおかしいし、むり。わたしは、わたしの心のまんなかは、おとうさんがつくったんだもの。
 だから。
 サツキは二番目。おとうさんよりは下。だけど。
 二番目だけど、いないと困る。だっておとうさんに、サツキの言うことをききなさいって、言われたんだもの。
 サツキがいないと、わたしはどうしたらいいかわからない。
 なのに。


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